伏見区中島宮ノ前町、京都南インターチェンジの南西に位置する鳥羽離宮跡公園に足を運ぶと、まず目に飛び込んでくるのは緑豊かな開放的空間です。戦後の発掘調査によって平安時代末期の「南殿(みなみどの)」の遺構が確認され、国の史跡として指定されたのち、京都市によって都市公園(史跡公園)として整備されました。
入り口付近には、往時の鳥羽離宮の全体像を描いた大きな絵図と歴史解説板が設置されています。公園の敷地内には、子どもたちに親しまれている大きな石造りの山型滑り台をはじめ、ブランコや鉄棒などの遊具、ボール遊びができる広場、鯉が泳ぐ池、そして小高い緑の丘が広がっています。一見すると「どこにでもある穏やかな街区公園」に映るかもしれませんが、足元には約900年前に貴族や武士たちが往来した院御所の礎石や遺構が静かに眠っています。
かつてこの地にあった南殿には、寝殿造りの壮麗な殿舎群や広大な苑池が存在していました。公園内にある池や緩やかな起伏は、当時の池や築山の名残を意識して景観保存されており、現代の生活風景と古代の空間構造が不思議な調和を見せています。