現在、歴史ファンやウォーキング愛好家の間で特に注目されているのが、箱根旧街道駕籠休みをはじめとする現存遺構のフィールドワークです。箱根の旧街道は石畳が復元整備されており、往時の過酷さを追体験できる第一級の交通史跡見どころとなっています。
実際に箱根湯本側から畑宿を経て旧街道の急坂を登り詰めると、「猿すべり」や「七曲り」と呼ばれる連続勾配の途中に駕籠休みの標柱や石碑が現れます。現地で実際に立ち止まってみると、山風が吹き抜けて体熱を奪う絶妙な位置に配置されていることや、視界が開けて後続の隊列を確認できるスペースが確保されていることが肌感覚で理解できます。
駕籠休み現在の姿は、箱根だけでなく、旧中山道の木曽路(馬籠峠・鳥居峠付近)や、旧東海道の静岡県内(小夜の中山など)にも点在しています。木々の静寂に包まれた山中にぽつんと残る石碑は、名もなき労働者たちが荒い息を吐きながら額の汗を拭ったリアルな息遣いを、何百年もの時を超えて今に伝えています。