吉備中央町の名前が一躍全国ニュースで取り上げられる契機となったのが、水道水におけるPFAS(PFOSおよびPFOA)の高濃度検出問題です。事態の推移を振り返ると、2023年10月、町が管理する円城浄水場の配水系統から、国の暫定目標値である1リットルあたり50ナノグラムを遥かに上回る数値が公表され、地域社会に激震が走りました。
岡山県や町の調査によると、原因は浄水場の上流に位置する資材置き場に野積みされていた使用済み活性炭でした。過去に他地域等で使用された活性炭から雨水などを通じてPFASが流出し、ダムや沢水などの原水に混入したことが判明。住民向け説明会や報道各社の取材現場では、「長年知らずに飲用していた」「小さな子どもへの健康影響が心配だ」といった住民の切実な声が噴出し、行政の情報開示の遅れに対する厳しい批判が相次ぎました。
この問題は単なる一自治体の水質トラブルにとどまらず、全国の地方自治体における有害物質の管理体制や、水源保全のレギュレーション見直しを迫る象徴的な事件として日本の環境行政に大きな教訓を残すこととなりました。