1980年代後半から1990年代にかけての邦楽シーンにおいて、布袋寅泰、山下久美子、今井美樹の3人が織りなした人間模様は、芸能史上に残る一大スキャンダルとして報じられました。発端は、山下久美子と今井美樹の深い交友関係にあります。当時、トップアイドルから本格的なアーティストへと脱皮を図っていた今井は、ロック界のミューズとして輝いていた山下を深く敬愛し、プライベートでも自宅を行き来するほどの親友関係を結んでいました。
布袋寅泰と今井美樹の出会いは、山下を介した自然な音楽的交流から始まりました。次第に今井の才能に魅了された布袋は、1990年代中盤からプロデューサーとして今井の楽曲制作に深く携わります。1996年にリリースされたシングル『PRIDE』は、ダブルミリオンを記録する歴史的大ヒットを記録。しかし、この音楽的濃密さの深化と正比例するように、二人の私的な距離も急速に縮まることとなりました。
世間を震撼させたのは、山下久美子への相談相手であったはずの今井が、布袋と禁断の関係に陥ったという構図です。当時の女性週刊誌やワイドショーは連日この問題を追及。バッシングが過熱する中、1997年に布袋と山下の離婚が正式に成立し、そのわずか2年後の1999年6月に布袋と今井が電撃入籍を発表したことで、「完全な略奪愛」というレッテルが決定付けられました。