世間が「外国人優遇」という言説に沸く一方、当事者である中小企業の現場や外国人労働者本人はどのような現実に直面しているのでしょうか。製造業や介護・建設の現場を取材すると、ネット上のイメージとは正反対の過酷な実情が浮き彫りになります。
北関東で従業員30名ほどの金型加工工場を営む50代の社長は、険しい表情で取材陣にこう明かしました。
「ネットを見ていると『国から助成金をがっぽりもらって甘い汁を吸っている』と叩かれますが、現実はまったく逆です。特定技能の外国人を受け入れるために、住居の手配、家電製品の購入、登録支援機関への毎月の委託料、さらに多言語の安全マニュアル作成など、初期費用だけで1人あたり数十万円から100万円近くが持ち出しになります。助成金を申請しようにも、日々の労働時間の記録や雇用契約、就業規則の改定など提出書類が山のようにあり、書類一枚の不備で何か月も審査が止まる。小遣い稼ぎどころか、会社としては背水の陣の投資ですよ」
また、ベトナムから来日して都内の食品工場で働く特定技能1期の男性(28歳)も、SNSでの反発に対して困惑を隠しません。
「日本人と同じように毎月の給料から高い所得税、住民税、健康保険料、厚生年金が引かれています。生活費が高騰していて家計はギリギリですが、国から何か特別な手当をもらったことなど一度もありません。知恵袋などで『外国人は補助金をもらえて羨ましい』という書き込みを見るたび、誰がそんな嘘を言っているのかと悲しくなります」
「外国人労働者 補助金 ネットの反応」を追うと、知恵袋や5ちゃんねる(現5ちゃんねる・まちBBS)などでは「外国人ばかり優遇されて日本人が苦しんでいる」という感情的な吐露が目立ちます。しかし、現場の生証言を突き合わせると、見えてくるのは莫大な受け入れコストと厳格な行政手続きに翻弄される企業と、適法に納税義務を果たしながら物価高に耐える労働者の姿です。