木漏れ日が揺れる「星の広場」へ足を踏み入れると、圧倒的な存在感を放つ造形美が視界に飛び込んでくる。かつて信楽の地で陶板レリーフの制作に情熱を燃やした岡本太郎。彼のDNAを受け継ぐかのように、起伏に富んだ芝生の丘には実験精神に満ちた大型彫刻が点在している。作品の多くは触れることさえ許されており、冷たい陶肌の手触りや、日光を吸って温まった釉薬の質感をダイレクトに確かめられるのが醍醐味だ。
野外の解放感を堪能した後は、信楽焼の歴史を深層から掘り下げる常設展示へと歩みを進めたい。平安末期から続くすり鉢や壷の素朴な美しさ、室町・安土桃山時代に茶人たちを狂喜させた「わび・さび」の景色。緋色の発色やビードロ釉の垂れが織りなす偶然の美は、数百年の時を超えて今なお鮮烈だ。野外のアートと屋内の歴史的遺作。この往復運動によって、信楽という土地が育んできた美意識の層が立体的に浮かび上がってくる。