SNSやネット掲示板、各種相談窓口では「契約した覚えがないのに毎月600円引かれている」「年間契約の5,900円が勝手に落ちていた」という投稿が散見されます。この現象の裏側には、システム的な不正ではなく、ユーザーの操作心理を突いたUI(ユーザーインターフェース)の設計があります。
知らない間に勝手に登録された理由と真相を紐解くと、大半のケースは通常の商品購入手続きの過程で発生しています。注文確定画面において、「プライム無料体験を試してお急ぎ便を無料で利用する」というボタンが、通常の注文確定ボタンと同じか、それ以上に目立つ配色・配置で提示されるためです。商品を急いで手に入れたい心理が働き、規約の小さなチェックボックスや説明文を見落としたままタップしてしまうユーザーが後を絶ちません。
国民生活センター等の公的機関にも、サブスクリプションに関するトラブル相談は継続して寄せられています。利用者の生の声として多く見られるのは次のような告白です。
「Kindle本を購入する際、読み放題プランの案内と混同してプライムに加入していた」「家族が共用タブレットで買い物した際、誤って無料体験をクリックしていた」など、日常的な利用の隙間に登録の契機が潜んでいます。
さらに深刻なのが、プライム会費二重請求の確認と問い合わせ経緯で明らかになる「複数アカウント問題」です。古い携帯電話番号で作ったアカウントや、家族が過去に作成した別のアカウントに同一のクレジットカードを登録していた場合、それぞれのアカウントでプライム会費が発生し、毎月1,200円が引き落とされるといった事態が発生します。心当たりがない引き落としが複数ある場合は、手持ちの全メールアドレスでログインを試みるか、Amazonカスタマーサービスへカードの決済番号を伝えて登録アカウントを照会してもらう必要があります。