多くの個人事業主を取材・観察してきた結果、確定申告で恒常的に損失を出している事業者には、行動経済学で言う「現状維持バイアス(Status Quo Bias)」と「メンタル・アカウンティング(心の会計)」の罠に陥っている共通点が見受けられます。
「会計ソフトを導入して複式簿記を覚えるのが面倒だから、とりあえず今年も白色申告にしておこう」という先延ばし心理は、年間数十万円の現金をみすみす捨てているのと同義です。目先の学習コスト(時間的負担)を過大に評価し、将来にわたる巨額の機会損失を過小評価してしまう心理的エラーが、事業収益を静かに圧迫し続けます。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
▼青色申告(65万円控除)を今すぐ選ぶべき人:
- 年間事業利益(売上-経費)が200万円以上あり、手取り現金を最大化したい人
- クラウド会計ソフト(マネーフォワード、freee、弥生など)を導入し、銀行口座やカード連携ができる人
- 将来的な事業拡大や法人化を見据え、財務諸表の作成能力を身につけたい人
▼白色申告や簡易な手続きに留めるのが合理的な人:
- 年間の事業利益が数十万円程度の極めて小規模な副業・趣味的スモールビジネスの人
- パソコン操作や電子申告の環境が一切整っておらず、学習にかかる時間的損失が控除メリットを上回る人