教科書が伏せる班田収授法の罠!古代国家を揺るがした崩壊の深層

教科書が伏せる班田収授法の罠!古代国家を揺るがした崩壊の深層

教科書が伏せる班田収授法の罠!古代国家を揺るがした崩壊の深層にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

仕組みそのものは極めて厳格だった。6年に一度作成される戸籍に基づき、6歳以上の男女へ「口分田」が給付される。良民男子には2段(約24アール)、女子にはその3分の2が配分され、受給者が死亡すれば朝廷へと返還される。だが、土地を配るという行為は恩恵ではなく、過酷な収奪への入り口に過ぎなかった。

農民を待ち受けていたのは、収穫の約3パーセントを納める「租」だけではない。絹や布、特産物を都へ自力で運ぶ「庸」や「調」、年間最大60日に及ぶ過酷な労役「雑徭」、さらには辺境防備の「防人」や兵役が容赦なく課された。都へ特産物を運ぶ運脚の途中で行き倒れ、餓死する者が続出する始末だった。最新の出土遺物分析が示すのは、配当された田地から得られる収穫量では、これらの税負担を到底賄いきれなかったという冷徹な現実だ。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。