1980年、全日本女子プロレスの同期生(55年組)として入門した松本香(後のダンプ松本)と長与千種。入門当初は二人とも落ちこぼれと見なされ、厳しい合宿生活の中で互いを励まし合う深い友情で結ばれていました。しかし、1983年に長与千種がライオネス飛鳥と結成した「クラッシュ・ギャルズ」が女子中高生を中心に空前のアイドル的人気を獲得したことで、二人の運命は大きく分岐します。
会社からヒール転向を命じられた松本は、髪を染め、顔にペイントを施し「ダンプ松本」として覚醒。クレーン・ユウやブル中野らとともに「極悪同盟」を結成し、クラッシュ・ギャルズを徹底的に痛めつける悪の首領としてリングに君臨しました。
抗争が頂点に達したのが、1985年8月28日に大阪城ホールで開催された敗者髪切りデスマッチです。長与が敗北し、リング上でバリカンを入れられる姿に満員の観客席からは悲鳴と号泣が響き渡り、会場外には機動隊が出動する前代未聞の事態へ発展しました。翌1986年11月7日の再戦ではダンプ松本自らが頭を丸めることとなり、昭和プロレス史に刻まれる壮絶な伝説が完成したのです。