作品後半のサスペンスを決定づけたのは、SEKAI NO OWARIのFukaseが演じる「がん細胞」の存在だ。映画『キャラクター』で見せた怪演を記憶している者なら、彼の起用を聞いた瞬間に鳥肌が立ったはずである。単なる怪物としてではなく、生まれながらに不要な存在として排除される運命を背負った哀しきダークヒーローとして、彼はがん細胞を演じ切った。
白血球やキラーT細胞(山本耕史)との死闘の中で吐き出される、彼の叫び。単なる勧善懲悪のヒーローショーに終わらせず、「命とは何か」「排除される者の孤独とは何か」という重厚なテーマを突きつけたFukaseの存在感は、作品の格を一段上の次元へと引き上げた。