青木理氏の言論活動の原点は、新卒で入社した共同通信社でのキャリアに遡る。社会部記者として警視庁や公安部門などの過酷な現場を徹底的に取材し、事件の裏側に潜む人間模様や組織の闇を追ってきた。この共同通信社時代に培われた泥臭い現場主義こそが、現在の彼の取材スタイルの骨格を形作っている。
記者クラブ主導の発表報道に頼るのではなく、自らの足で聞き込み、関係者の証言を丹念に繋ぎ合わせる。警察組織や官邸といった強大な組織の論理に流されず、個人の人権や社会的弱者の視点から事象を捉え直す手法は、この事件記者時代の苛烈な体験から生まれたものだ。組織の論理から解き放たれたフリーランスとなった現在も、その愚直なまでの現場主義は微塵も揺らいでいない。