建築ファンやデザイナーの視線を引きつけて離さないのが、アストラムライン側の駅舎を包み込む丸みを帯びた半透明の「シェル構造」だ。建築家の小嶋一浩氏(CAn)らが手がけたこのユニークなデザインは、半透明のFRP(繊維強化プラスチック)パネルを使用しており、昼間は自然光がやわらかく構内に差し込み、夜間は内部の光が外へと漏れ出て幻想的な行灯(あんどん)のような姿を見せる。
土木構造物特有の圧迫感を排除し、住宅街の景観と見事に調和させたこの造形は、日本国内の優れた土木・建築デザイン賞を数々受賞した。建設から10年以上が経過した今も色あせることなく、広島の街並みに洗練された現代建築の息吹を与え続けている。