なぜ、たった数パーセントの度数上昇がこれほどまでに騒がれるのか。その理由は、人間の体がアルコールを代謝するメカニズムと密接に関わっている。肝臓専門医である浅部伸一医師は、高濃度アルコール飲料を速いペースで摂取することのリスクについて度々警鐘を鳴らしてきた。血中アルコール濃度が急激に跳ね上がることにより、自覚のないまま脳の麻痺が進行し、悪酔いや激しい二日酔い、最悪の場合は急性アルコール中毒を引き起こしやすくなるためだ。
加えて、フレーバー技術の進化が皮肉な罠を生み出している。果汁感や強い炭酸、人工甘味料の働きによってアルコール特有の苦味やカドが消され、まるで清涼飲料水のように喉を通り抜ける。厚生労働省が公表した健康保護のための飲酒ガイドラインでも、純アルコール量の把握と過剰摂取防止の重要性が強調されている。500ml缶1本で約48gもの純アルコールが含まれる度数12%の商品は、1日の適量とされる20g前後を遥かにオーバーしており、常用すれば健康被害に直結する危険を孕んでいる。