香川に赴く旅行者のほぼ全員が目的として掲げるのが、本場の讃岐うどん巡りだろう。しかし、ガイドブックの巻頭を飾る有名行列店だけに足を運ぶのは、少々勿体ない。地元住民が朝の通勤前にさっと暖簾をくぐるような穴場店にこそ、讃岐の日常と真の旨味が隠されているからだ。
例えば、綾川町や満濃町の田園地帯にひっそりと佇む製麺所スタイルの店舗。セルフサービスのルールに戸惑いながらも、自分で湯切りをし、揚げたての天ぷらをのせて啜る一本のうどん。そのモチモチとした歯ごたえと澄んだいりこ出汁の風味は、格別の一言に尽きる。かつて映画『UDON』で描かれたような、集落の路地裏で地元客に混じって食べる体験こそが、旅行の満足度を跳ね上げるポイントだ。
失敗しないための厳選ルートとしては、早朝7時開店の製麺所からスタートし、午前中に2〜3軒を巡る「朝うどん」スタイルが鉄則。午後は売り切れ次第終了となる店舗が多いため、タイムスケジュールを緻密に組むことが攻略のカギとなる。