1980年代のテレビ界において、大映テレビとフジテレビの黄金コンビは数々のヒット作を世に送り出してきた。『スチュワーデス物語』や『不良少女とよばれて』に続き、1985年に放映された『ヤヌスの鏡』は、大映ドラマ特有の誇張された演出、叙情的なナレーション、そして怒涛のストーリー展開が極限まで凝縮された最高傑作である。
「古代ローマの神ヤヌスは、二つの顔を持っていた……」という来宮良子の重厚なナレーションで始まるオープニングは、当時の視聴者の脳裏に深く刻み込まれた。大げさとも言える濃密なセリフ回しとジェットコースターのような展開は強烈な中毒性を生み出し、昭和のテレビ史に燦然と輝く大映ドラマの金字塔となった。