一連の騒動がもたらした代償は、個人の社会的信用失墜にとどまりませんでした。1979年のデビュー以来、『SAY YES』や『YAH YAH YAH』など数々のダブルミリオンセラーを記録した「CHAGE and ASKA」は、事実上の活動停止状態に追い込まれました。
相方のChage氏との関係修復や再始動が模索されたものの、歩調が揃うことはなく、デビュー40周年を迎えた2019年8月25日、ASKA氏はグループからの脱退を公式に表明。実質的な解散状態となりました。さらに同月、30年以上にわたり苦楽を共にしてきた元アナウンサーの妻との離婚が成立していたことも公表され、家庭とキャリアの双面で大きな転換点を迎えたのです。
当時の特番インタビュー(TBS系『ビビット』単独インタビュー等)において、ASKA氏は薬物に手を染めてしまった心理状態を振り返り、次のような告白を残しています。
「当時は薬物と知らずに出会ってしまった。時間の前借りと思っていた」
極限の集中力と曲作りの締め切りに追われる中、睡眠時間を削って創作を続けるための道具として頼ってしまったという告白は、トップクリエイターが抱える過酷なプレッシャーの一端を浮き彫りにしました。
ネット上の反応やファンの評判を検証すると、現在でも大きく二つの視点で分かれています。SNSや大手掲示板では「どんな理由があれ違法薬物に手を出した事実は重い」「チャゲアスとしての復活が見られなくなったのは本当に悔やまれる」という厳しい批判が存在します。一方で、「過去の過ちを乗り越え、自らの声一本で音楽シーンの第一線に戻ってきた執念は本物」「声量の衰えを一切感じさせない60代のパフォーマンスに圧倒される」といった、純粋な音楽的才能に対する極めて高い評価と支持が寄せられています。