日本と韓国のメディアでは連日のように互いの領有権主張が報じられますが、一歩国外に出ると、世界の認識は「日韓二国間の局地的な領有権紛争(Territorial Dispute)」という客観的な枠組みで捉えられています。特定の国がどちらか一方の主権を全面的に支持・公認するケースは極めて稀であり、主要国政府の多くは「自国の国益を損ねないため、どちらの肩も持たない」という中立の距離感を保っています。
欧米をはじめとする海外の地図や学術文献、国際報道において最も広く用いられている名称が「リアンクール岩礁(Liancourt Rocks)」です。この呼称の起源は、1849年にフランスの捕鯨船「リアンクール号」がこの島を西欧人として初めて目撃し測量した史実に由来します。航海日誌に記された船名がそのまま地理上の名称として世界海図に登録され、国際的な慣用名として定着しました。
なぜ国際社会は「竹島(Takeshima)」でも「独島(Dokdo)」でもなく、リアンクール岩礁と呼ぶのでしょうか。その背景には、一方の呼称を採用することで生じる外交的摩擦を避ける意図があります。国連地名標準化会議などの国際的な慣例では、主権争いがある地名について合意が得られない場合、双方案の併記、あるいは第三の中立的呼称を採用することが推奨されています。各国の外務省や大手出版社は、日韓双方の政治的抗議を回避するための現実的解決策として「リアンクール岩礁」を選択しているのが実態です。