『続・最後から二番目の恋』の最終話(第11話)において、多くの視聴者が固唾をのんで見守ったのは、吉野千明と長倉和平が恋愛関係として成就するのか、それとも友人のまま留まるのかという結末でした。従来のトレンディドラマのように「結婚」や「恋人同士になる」という定石的なハッピーエンドを本作は軽やかに裏切ります。
市長選の出馬要請や仕事での挫折、家族の独立といった現実的な壁を乗り越え、2人が行き着いたのは、恋愛感情を超越した「隣人であり、人生の伴走者」という境地でした。千明の自宅テラスと長倉家のウッドデッキを隔てる生垣越しに、ビール片手に本音をぶつけ合う日常。最終回ラストシーンで交わされたユーモラスな会話のなかで、和平は「あなたに会えて本当によかった」と素直な心情を吐露し、千明もまた穏やかな笑顔でそれを受け止めます。劇中で描かれたキスシーンも、情熱的な恋愛のそれではなく、お互いの存在そのものを慈しむような深い温もりに満ちていました。
放送当時のSNSや視聴者レビュー、さらには2026年のレビューサイトにおける再評価でも、「結婚という枠組みに囚われない結末こそが、40代・50代のリアリティ」「大人の恋愛の究極の到達点」と絶賛の声が支配的です。安易な恋愛劇に回収せず、自立した個と個が緩やかにつながり続ける結末を選んだことが、本作を不朽の名作たらしめている最大の要因です。