2018年秋、和田アキ子の身体には限界が訪れていました。当時68歳を迎えていた彼女を苦しめていたのは、加齢に伴い上まぶたを引き上げる筋肉(眼瞼挙筋)や腱膜が緩み、まぶたが黒目にかぶさってしまう眼瞼下垂症です。公私にわたる関係者の証言や本人が後に語ったところによると、末期状態では「まぶたの約半分が垂れ下がり、視野の上部や外側が極端に狭くなっていた」といいます。
眼瞼下垂は単に見た目が眠そうに見えるだけでなく、狭くなった視野を補おうとして無意識に前頭筋(おでこの筋肉)を酷使するため、慢性的な激しい偏頭痛や重度の肩こり、吐き気を引き起こします。和田自身も「常に頭に鉄の輪をはめられているような鈍痛があった」「物を見るためにあごを突き出す姿勢になり、首や背中まで悲鳴を上げていた」と振り返っています。主治医からも「これ以上放置すると日常生活に支障をきたす」と強く勧められ、多忙な芸能スケジュールの合間を縫って2018年11月に切開手術を決断しました。
ところが、この機能回復を目的とした決断が、彼女にとって予期せぬ悪夢の始まりとなってしまったのです。