映画界においても、深津絵里は輝かしい足跡を残してきました。その最たるマイルストーンが、前述の『悪人』によってもたらされた世界的栄誉です。
本作での魂を削るような体当たりの熱演は、世界四大映画祭の一つである第34回モントリオール世界映画祭において最優秀女優賞(ワールド・コンペティション部門)を受賞するという快挙を成し遂げました。日本人女優としては寺島しのぶ以来の歴史的快挙となり、世界基準の演技派女優としてその名を刻むことになります。
国内でも第34回日本アカデミー賞・最優秀主演女優賞を受賞したほか、三谷幸喜監督の法廷コメディ『ステキな金縛り』や、黒沢清監督のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞受賞作『岸辺の旅』など、作家性の強い名匠たちの作品で主演を務めています。露出や濡れ場といった表面的なトピックにとどまらず、作品の本質を支える中核として映画関係者から絶大な信頼を寄せられている点こそが、彼女の真骨頂です。