パンフレットや広告で頻繁に見かける「就職率98%」「業界就職率No.1」という華々しい数字には、統計上の注意すべき前提が存在します。大学と専門学校では、就職率を算出する際の「分母」の定義が異なるケースが多いためです。
大学の就職率は、文部科学省の統一基準に基づき「卒業者全体」または「就職希望者」を分母として算出されます。一方、一部の専門学校では、途中で進路を変更した学生や留年者、就職活動を断念した未内定者を「分母から除外」して集計している実態が取材から浮かび上がっています。
【就職実績に関する3つの見極めポイント】
- 関連職種への就職率:「就職率95%」と謳っていても、専門分野とは無関係な一般飲食や派遣社員への就職が一定割合含まれているケースがある。
- 中途退学率の存在:2年間で15〜20%程度の学生が中途退学している学校では、卒業まで残った意欲の高い層のみで数値を算出している可能性がある。
- 大手企業への学歴フィルター:総合職採用や大手IT、金融などのエントリーにおいて、採用要件が「4年制大学卒業以上」と規定されている企業は依然として多い。
一方で、国家資格が直結する医療・看護系、調理・製菓、自動車整備、美容分野などにおいては、専門学校の就職力は絶大な強みを発揮します。業界との強固なパイプラインや指定校求人により、大学卒よりも効率的かつ確実に現場配属を勝ち取れる点は揺るぎない事実です。