多くの熱狂的ファンを抱えながらも、なぜ『コード・オブ・ジョーカー』はサービス終了の決断を下さざるを得なかったのか。その背景には、ゲームデザイン上の課題とビジネスモデルの限界という複合的な理由が存在します。
第1の要因として挙げられるのが、度重なるカードパワーのインフレと環境の硬直化です。ゲーム初期は赤(アタック・焼き)、黄(行動権消費・バウンス)、緑(BP強化・パンプアップ)、青(手札破壊・レベル破壊)という明確な属性特性が確立されていました。しかし、新属性「紫」の追加や極端に強力なCIP効果(召喚時効果)を持つユニット、相手の盤面を一方的に制圧するギミックが多数実装されたことで、先行有利の加速や特定のメタデッキによる環境の固定化が進行しました。デッキ構築の自由度が狭まったことで、ライト層から中堅プレイヤーの離脱を招く結果となったのです。
第2の要因は、アーケード筐体の収益構造とスマホ市場との摩擦です。本作はゲームプレイ代金(クレジット)のほか、筐体内でデジタルパックを購入するガチャ課金モデルを採用していました。しかし、2010年代中盤以降、スマートフォン向け本格デジタルTCGが爆発的な普及を見せたことで、「ゲームセンターに足を運んでデジタルカードに課金する」というハードルが相対的に上がってしまいました。
起死回生を狙って2017年1月にリリースされたスマートフォン版アプリ『コード・オブ・ジョーカー ポケット(COJポケット)』も、UIの操作感や通信安定性、テンポ面での課題を克服できず、わずか約1年3カ月後の2018年4月にサービス終了。このスマホ展開の失速が、アーケード版の存続判断にも大きな影を落とすことになりました。