社内表彰式や取引先の創立記念式典、スピーチの原稿作成において、言葉の選び方を誤ると出席者に違和感を与えてしまいます。大手広告代理店や広報担当者の現場観察でも、特に中堅ビジネスパーソンがやってしまいがちな誤用パターンが散見されます。
代表的な誤用例を検証してみましょう。
❌ 誤用例1:「〇〇部長のこれまでの名誉を称え、記念品を贈呈いたします」
⭕ 正しい表現:「〇〇部長のこれまでのご功績と栄誉を称え、記念品を贈呈いたします」
※解説:「称える(たたえる)」という動詞は、目に見える素晴らしい実績や晴れがましい行為に対して使われます。「名誉」は心の中で重んじるものであり、式典で公式に称賛する対象としては「栄誉」や「功績」を用いるのが日本語の作法として自然です。
❌ 誤用例2:「今回の大規模プロジェクトに抜擢されたことは、私にとって不相応な名誉です」
⭕ 正しい表現:「今回の大規模プロジェクトに抜擢されたことは、私にとって身に余る栄誉でございます」
※解説:大役を任されたり、晴れの舞台に登壇したりする際の謙譲表現としては、「身に余る栄誉」「栄誉に浴する」が定型句です。自分の社会的地位をへりくだる意図であっても、「不相応な名誉」という言い回しはやや座りが悪く、過度に自意識が強調されて聞こえてしまいます。
【ビジネスでそのまま使える実践的な例文集】
・栄誉 意味 例文:「長年にわたり業界の発展に寄与された貴社の栄誉を称え、心より祝意を表します。」
・栄誉の慣用表現:「世界的なデザイン賞のグランプリに輝くという、最高の栄誉を勝ち取った。」
・名誉の慣用表現:「これまでの不当な疑いを晴らし、裁判を通じて名誉の回復を果たした。」