地域密着型グルメを巡っては、ポジティブなニュースばかりではありません。2025年秋から2026年初頭にかけて、新居浜市内の某定食チェーンやデカ盛り自慢の個人店を巡り、ネット掲示板やSNS上で「炎上」に近い論争が巻き起こった経緯があります。
発端となったのは、とあるインフルエンサーが投稿した「デカ盛り唐揚げ定食」の食べ残し動画でした。「採算度外視で地域に尽くしてきた老舗の善意を踏みにじる行為」として地元住民から強い反発が起き、ネットの反応は一気に過熱。さらにこれに付随して、「名物店が突如として大幅値上げを敢行した」「常連を排除して一見の観光客向けに舵を切ったのではないか」という根拠の薄い噂が拡散する事態に発展しました。
筆者が取材した地元飲食関係者は、当時の心境をこう吐露します。
「米や油の仕入れ価格が2倍近くに跳ね上がる中、従来の盛り付けを維持すれば赤字になるギリギリの戦いでした。盛りを削れば『質が落ちた』と叩かれ、価格を上げれば『便乗値上げだ』と炎上する。あの騒動の根底にあったのは、安くて大盛りを美徳としてきた昭和的な外食観と、コスト適正化を進めざるを得ない現代の経済現実との摩擦だったのです」
現在では多くの店舗が「ご飯のサイズ別料金化」や「シェア禁止ルールの明文化」を導入し、適正な利益を確保しながら存続するモデルへと舵を切っています。ネット上の噂の真相は、悪質な値上げではなく、店舗が生き残りを懸けて断行した事業構造改革の結果だったといえます。