スーパーや鮮魚店で手に入るタコは、主にマダコとミズダコの2種類に大別される。この2つを同じ時間で茹でてしまうことこそ、失敗の最大の温床だ。身が引き締まり濃厚な味わいを持つマダコに対し、北の海で育つミズダコは水分含有量が非常に多く、組織そのものが柔らかい。
マダコは前述の通り中心まで適度に熱を通すことで皮と身の一体感と凝縮した旨味を引き出すが、ミズダコに長時間の加熱は厳禁である。ミズダコを茹でる際は、中心部が生に近いレア状態を保つよう、太い足でも1分から1分半程度の短時間で引き上げるのが鉄則。水分を抱え込んだジューシーな食感を残すためにも、魚種ごとの性質を意識したアプローチが欠かせない。