いまや先発陣の大黒柱となった彼の最新スタッツを見れば、その充実ぶりは一目瞭然だ。防御率はリーグ屈指の安定感を誇り、クオリティスタート率も群を抜く。とりわけ際立つのが9回あたりの奪三振率(K/9)の跳ね上がりだ。走者を背負った場面でもギアを一段引き上げ、狙って空振りを奪う投球術が完全に定着した。
進化の土台には、徹底したフォームの見直しと肉体改造がある。右肘の手術という大きな試練を乗り越えた経験が、彼に己の身体と極限まで向き合う契機を与えた。ただ速い球を投げるのではなく、リリースポイントの角度と球持ちの長さをミリ単位で追求。打者からすれば「ボールが手元からなかなか出てこない」感覚を抱かせるフォームが、現在の圧倒的な支配力を生み出している。