普段のテレビシリーズでは、のび太を仲間外れにしたり自慢のオモチャを見せびらかしたりと、身勝手な振る舞いが目立つコンビだが、劇場版長編作品に入るとその評価は一変する。普段の狡猾さや横暴さが影を潜め、仲間を救うために身体を張る勇敢さが前面に押し出されるのだ。
近年の大ヒット作『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』をはじめとする劇場版において、二人が魅せるドラマは観客の胸を強く打つ。極限状態に追い込まれた際、ジャイアンは誰よりも先に盾となってスネ夫を守り、スネ夫は自身の知略を振り絞ってジャイアンの背中を支える。テレビアニメ版で見られる小競り合いは、壮大な冒険の舞台においては固い信頼へと昇華される。この日常と非常時における落差(ギャップ)こそが、世界中の『ドラえもん』ファンを魅了し続ける最大の仕掛けと言えるだろう。