世界的な半導体供給網の中心地となった台湾。TSMC(台湾積体電路製造)をはじめとするハイテク工場が集積する台南エリアにおいて、最も重要な資源は「水」だ。半導体の製造プロセスには莫大な量の超純水が必要とされるが、その水源のルーツをたどると、八田が設計した烏山頭ダムに行き着く。
気候変動による局地的な干ばつが頻発する2026年現在、この緻密に計算された100年前の水利システムが、台湾の経済安全保障を物理的に支えている事実は驚きに値する。八田が未来を見据えて設計したインフラは、農業用水としてだけでなく、ハイテク国家・台湾の生命線として今も脈動しているのだ。