モードの都ミラノは、今まさに新たな世代交代の熱気に包まれている。その震源地にいるのが、弱冠にしてメガブランドの顔となったデヴァ・カッセルだ。母モニカ・ベルッチのDNAを色濃く受け継ぎながらも、彼女が放つのは2020年代特有の冷徹なエッジとジェンダーレスな柔軟性である。
ミラノ・ファッション・ウィークのランウェイに彼女が現れた瞬間、会場の空気が引き締まる。クラシカルな地中海風の彫りの深さと、現代的なストリート感覚を自在に行き来する変幻自在なスタイル。ハイファッションの老舗メゾンが彼女をこぞって起用するのは、単なる「二世セレブ」の枠組みを遥かに超えた、服そのものを語り直すドラマツルギーを彼女が持っているからだ。
デヴァ・カッセルに代表される新世代のモデルたちは、完璧なドールであることを拒絶する。ランウェイのバックステージで見せる飾り気のない笑顔や、自らの言葉でSNSを発信する率直さ。伝統的なラグジュアリーと現代的なリアリズムを軽やかに接続する彼女たちの姿は、モードの未来そのものを明るく照らしている。