坂本九が遺した最大の遺産、それは国境や言語を超えて愛され続ける音楽だ。代表曲「上を向いて歩こう」(海外タイトル「SUKIYAKI」)は、今なおビルボードの全米1位を獲得した唯一の日本語楽曲として燦然と輝いている。近年、再評価が高まる昭和歌謡ブームの波に乗るかのように、若い世代の心にも深く刺さっている。
NHKをはじめとする数々の音楽番組や特別番組では、最新のデジタル技術によるアーカイブ映像や、家族によるパフォーマンスがたびたび特集される。口笛のメロディと切なくも前向きな歌詞は、時代がいくら変わろうとも、傷ついた人々の心に優しく寄り添い続けているのだ。夫が歌に込めた「希望」の精神は、妻や娘たちの手によって今も瑞々しく生き続けている。