今大会のサッカースタジアム群は、歴史的ロマンと未来志向テクノロジーの極端なコントラストが際立つ。その象徴がメキシコシティのエスタディオ・アステカだ。ペレやマラドーナが伝説を紡いだ聖地は、史上初となる「3度目の開幕戦会場」として再び歴史の表舞台に立つ。標高2,200メートルを超える高地、8万人の地響きのような大歓声。対戦相手にとってこれほど過酷で威圧的なアウェー空間は世界中どこを探しても存在しない。
対極に位置するのが、ロサンゼルス近郊のイングルウッドに聳えるSoFiスタジアムだ。建設費50億ドル以上を投じて建設されたこの空間は、360度両面型の超巨大4Kスクリーン「インフィニティ・スクリーン」が天井から吊り下げられ、映画館のような音響と視覚体験を提供する。屋根付きの半屋外構造で、カリフォルニアの心地よい海風を取り込みながらも天候に一切左右されない。最新工学の粋を集めた空間設計は、フットボール観戦の概念そのものを塗り替えようとしている。