パン君の軌跡を語る上で欠かせないのが、二人の類まれな指導者の存在である。動物トレーナーとして卓越した技術を持っていた宮沢厚園長と、稀代のコメディアン・志村けんさんだ。『天才!志村どうぶつ園』のロケで見せた志村園長との掛け合いは、台本を超えた本物の愛情と信頼関係によって成立していた。
志村さんが熊本を訪れるたび、パン君が見せた猛烈な抱擁と弾けるような笑顔。それは単なる芸ではなく、種族を超えた友情そのものだった。志村さんの他界から年月が経過した今も、宮沢園長をはじめとする飼育チームがその温かな眼差しを受け継ぎ、彼の尊厳を守り続けている。