首や腰の痛みを巡っては、インターネットやSNS上で医学的根拠の乏しい言説が氾濫しています。誤った知識を鵜呑みにして自己流の対処を続けると、かえって症状を長期化させる結果になります。
もっとも危険な誤解の一つが、「痛いときはとにかく首を回し、腰を強くひねってボキボキ鳴らせば治る」という俗説です。関節を強制的に鳴らす行為は、椎間関節の靭帯や関節包を微細損傷させ、将来的な骨棘(骨のトゲ)形成を促進します。特に首の回旋運動は、脳へ血液を送る椎骨動脈を傷つけるリスクすら孕んでいます。
また、「腰痛には硬い布団が良い」「首の痛みには高い枕が良い」という昔ながらの言い伝えも医学的には誤りです。硬すぎるマットレスは腰とお尻の出っ張った部分だけに体圧を集中させ、腰椎の隙間を支えられずに筋肉の緊張を強めます。寝具は「適度な体圧分散性と反発力」が備わっているものを選ばなければ、睡眠中の回復は望めません。