漢字が苦手な子を持つ家庭で最も多く見られる間違いが、「覚えられないならノートに1文字につき10回、20回と書き取りをさせる」という根性論の指導です。しかし、認知心理学の研究において、受動的・機械的な反復書写は極めて学習効率が低いことが実証されています。
3回目以降の書き取りでは、子どもの脳は「文字の意味や形」を考えるのをやめ、「マス目を早く埋めるための手の運動」へとシフトしてしまいます。その結果、へんとつくりのバランスが崩れたり、間違った書き順や線の不足のまま何十回も書き写して「間違った形」を筋肉記憶として定着させてしまうという本末転倒な事態が起こります。
小4の壁 漢字 苦手克服において本当に必要なのは、書く回数を増やすことではなく、「思い出す負荷(アクティブリコール)」をかけることです。「見本を隠して1回自力で書く」「間違えたら赤ペンで原因(ハネ・トメ・線の本数)を確認し、30秒後にもう一度テストする」というサイクルを回すほうが、10回書き取りをするよりも3倍以上の記憶定着率を叩き出します。