今回の速報で誰もが目を疑ったのは、長年トップ10の常連として君臨してきた有力県の大幅な順位後退だ。名だたる温泉地や景勝地を抱えるあの県が、なぜここまで評価を落としたのか。現地の観光関係者を取材すると、華やかな看板の裏で深刻化していたオーバーツーリズムへの疲弊と、住民満足度の低下という二重苦が浮かび上がってきた。「観光客は押し寄せるが、地元には潤いも誇りも残らない」――そんな地域のきしみが、旅先を選ぶ側のアンテナに確実に引っかかった結果と言える。
代わって急浮上を果たしたのは、過度な観光地化を避け、日常の豊かな営みや独自の食文化を丁寧に見せてきた中堅県だ。派手なテーマパークや定番の土産物はなくとも、「暮らすように旅する」手触り感のある地域が、これまでにない高評価を獲得した。あなたの出身県はどうだろうか。前年と変わらぬ定位置に安住しているか、それとも思わぬジャイアントキリングに沸いているか。速報の順位表に刻まれた上下動は、知名度に胡坐をかいてきた自治体への最後通告にほかならない。