深海ブームの土台を築いたのは、テクノロジーの進歩と映像メディアの革新に他ならない。映画『ディープ・ブルー』が切り拓いた圧倒的な海洋映像美や、社会現象となった『NHKスペシャル 深海の超巨大生物』の緊迫感あふれる探査劇は、未知のフロンティアに対する大衆の解像度を一気に引き上げた。
近年ではNetflixなどのストリーミングサービスで配信される高精細なネイチャードキュメンタリーが、世界中の深海底の生態系を日常のスクリーンに届けている。かつては図鑑の中の標本でしかなかった深海魚たちが、躍動する生命として認識されたことで、展示や食といったリアルな実体験への欲求へと転化したのは極めて自然な流れといえる。