人間には、差し迫った危機を「自分だけは大丈夫だろう」と都合よく過小評価してしまう強力な心理的バイアス(正常性バイアス)が存在します。「数千年に一度の断層だから自分の生きている間は来ない」という確証のない楽観は、災害時に命取りとなります。
活断層リスクに向き合うための判断基準と行動指針
【これから土地購入・新築を検討している人】
国土地理院の「都市圏活断層図」で敷地および隣接地(目安として断層線から幅50〜100メートル以内)に断層や撓曲(とうきょく)が存在しないかを徹底調査してください。もし断層直上であることが判明した場合は、どんなに利便性が高く安価であっても、居住用不動産としての選定は見送るのが賢明な判断です。回避可能な立地リスクを自ら背負う必要はありません。
【すでに活断層の近傍に住んでいる人・住み替えが難しい人】
過度なパニックに陥る必要はありませんが、対策の優先順位を根本から変える必要があります。揺れが発生した瞬間に身を守るため、以下の3点を直ちに実行してください。
- 家具の完全固定と寝室のシェルター化:直下型地震では家具が「倒れる」のではなく「横に飛ぶ」衝撃が加わります。寝室には背の高い家具を一切置かない、または壁面下地にボルトで強固に固定する。
- 感震ブレーカーの設置:直下型地震後の同時多発火災を防ぐため、強い揺れを感知して自動で電気を遮断する装置を導入する。
- 断層変位を意識した複数の避難ルート確保:自宅の玄関前や前面道路が地割れや段差で寸断されることを想定し、裏手や別方向への脱出ルートを複数シミュレーションしておく。