ネットメディアやSNSが軽々しく「整形」と書き立てる際、決定的に見落とされている要素が2点あります。それが「スキージャンプ特有の体重管理」と「写真の補正・ライティング」です。
第一に、スキージャンプという競技は、用具規則(BMIルール)に縛られた極めてシビアな体重コントロールが求められます。身体を1キロ絞るだけでフェイスラインの余分な皮下脂肪は完全に削ぎ落とされ、頬骨やエラ、鼻骨のラインがくっきりと露出します。少女期から大人のアスリートへと骨格が定着する過程で、体脂肪率が10%台前半まで絞り込まれれば、メスを入れずとも顔の立体構造は激変するのです。
第二に、SNSの「自撮り画像」と「公式競技中の望遠レンズ写真」のギャップです。Instagramなどに投稿されるプライベート写真は、広角レンズ特有のパース(遠近感)やスマートフォンのポートレート補正、緻密なセルフライティングが施されています。これを「整形前後の比較」として昔のすっぴん報道写真と並べ立てること自体が、客観的なジャーナリズムを欠いたミスリードと言わざるを得ません。