旅行者が混同しやすいのが「水着」と「湯浴み着」の扱いです。「肌を隠せるならどちらでも同じではないか」と考えがちですが、施設側から見れば両者は全くの別物として扱われます。
湯浴み着とは、温泉に入浴することを前提に設計された専用の入浴着です。不織布や特殊なポリエステルで作られており、濡れても肌に張り付きにくく、湯の中でも透けない二重構造や濃色加工が施されています。最大の特徴は、洗剤残りや色落ちのリスクを排除した「使い捨て仕様」または「高温高圧滅菌リネン処理」が徹底されている点です。全国の秘湯などで混浴文化を守るために導入されているものの多くは、この指定の湯浴み着です。
これに対し、市販の水着はプールや海での遊泳を想定して作られています。デザイン性や伸縮性が高い反面、濡れると身体のラインが過度に強調されたり、装飾金具が配管を傷つけたりする恐れがあります。そのため、案内板に「湯浴み着OK」と書かれていても、「個人の水着持ち込みはNG」とされる現場が少なくありません。
近年では、現地で戸惑わないよう混浴水着レンタルを常備する施設や、売店で規定に合致した湯浴み着を500円から1,500円程度で販売する施設が標準化しています。私物の水着を持参する場合は、事前に公式サイトで「持ち込み水着の着用が可能か」「指定ウェアの着用が必須か」を照会することがトラブル回避の鉄則です。