普段どおりに使っているつもりでも、予期せぬタイミングでバッテリーが急激に目減りすることがあります。この急に充電が減る原因を解明するには、ソフトウェアの挙動とハードウェアの特性という2つの側面からメスを入れる必要があります。
まずソフトウェア面で最も頻発するのが、iOSアップデート後のバッテリー消費の急増です。OSのメジャーアップデートやセキュリティ更新を適用した直後、iPhoneの内部では写真ライブラリの機械学習解析、Spotlight検索のためのファイルインデックス再構築、各種アプリデータの再同期といった膨大なバックグラウンドタスクが自動実行されます。この内部処理は端末がスリープ状態であっても数時間から長ければ2〜3日間継続するため、ユーザーが操作していなくてもCPUがフル稼働し、猛烈なスピードで電力を消費します。SNS等で「アップデート後に電池持ちが最悪になった」と報告される事例の大半は、この過渡期の一時的な負荷が原因です。
次に無視できない要因が、iPhoneの発熱と充電消費の悪循環です。リチウムイオンバッテリーは熱に極めて弱く、内部温度が35℃以上に達すると、電解液の化学反応が乱れて内部抵抗が上昇します。負荷の高いオンラインゲームのプレイ中や、直射日光下の車内でのカーナビ利用、さらには充電ケーブルを接続したまま動画を長時間視聴する「ながら充電」を行うと、プロセッサの発熱とバッテリー自身の充電熱が重複します。高温状態に陥った端末はハードウェアを保護するために冷却を試み、余計な電力を使って制御を行うため、結果として通常時の数倍のペースで充電が失われていくことになります。
加えて、特定のアプリがクラッシュを繰り返していたり、位置情報をバックグラウンドで過剰に取得し続けていたりするシステムエラーも、バッテリーの突発的なドレイン(急放電)を引き起こす典型的なトリガーとなっています。