ドラマ『素顔のままで』は、脚本家・北川悦吏子が初めてゴールデンタイムの連続ドラマを単独で手掛け、後に「恋愛の神様」と呼ばれる足がかりを築いた記念碑的作品です。物語の軸となるのは、育ちも性格も正反対な2人の共同生活でした。
厳格な父(児玉清)の監視下で図書館司書として息をひそめるように暮らしていた優美子。ある日彼女は、ミュージカル劇団のオーディション現場で、情熱的で気性の荒いダンサー志望のカンナと偶然出会います。ひょんなことから優美子のマンションで同居を始めた2人は、激しく衝突しながらも、互いに欠けていた人生のピースを埋めるように強い絆で結ばれていきます。
物語を大きく揺さぶるのが、優美子が見合い相手の医師・本間(鶴見辰吾)との婚約を破棄してまで心を惹かれた青年・村上一成(東幹久)の存在でした。一成はカンナにとっても忘れられない想い人であり、さらにカンナに一途な想いを寄せる下町育ちの青年・沢田卓郎(的場浩司)も加わり、激しい四角関係へと発展していきます。恋愛関係の葛藤を乗り越え、男女の情愛を超越した「女同士の究極の絆」に帰結していく作風は、当時の視聴者に強烈なインパクトを与えました。