メディアやネット上で時折見られる「小沢健二は90年代半ばの一発屋的な流行歌手だったのか?」「長い休止期間は何をしていたのか?」という疑問には、大きな誤解が含まれています。
1998年以降、小沢健二はニューヨークを拠点に生活を移し、環境問題や南米の先住民文化へのリサーチ、絵本『うさぎ!』の執筆など、独自のフィールドワークと文筆活動を展開していました。2000年代初頭に発表されたインストゥルメンタル主体のアルバム『Eclectic』(2002年)や『毎日の環境学』(2006年)は、発表当時は難解と受け止められたものの、現在のネオソウルやローファイ・ヒップホップの視点から「時代の先を行き過ぎていた大名盤」として再評価が進んでいます。
決して音楽活動を放棄していたわけではなく、世界中を巡り思索を深めた期間があったからこそ、現在の豊潤な音楽世界が構築されています。