「双子は遺伝する」という話を耳にしたことがある方も多いかもしれません。医学的な見地から言うと、遺伝の影響を受けるのは主に二卵性双生児です。一卵性の発生率は人種や地域を問わず「約1000組に4組(約0.4%)」とほぼ一定で、遺伝との直接的な因果関係は解明されていません。
一方で、二卵性の発生には「多排卵(1周期に複数の卵子が成熟・排卵すること)」を起こしやすい体質が関与しており、母方の家系に二卵性の出産歴がある場合、双子を授かる確率は統計的に高くなります。
さらに現代において二卵性の確率を左右する大きな要因が、母体年齢の上昇と不妊治療の普及です。
女性は30代半ばを過ぎると、卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌量が増加し、一度に複数の排卵が起こりやすくなる傾向があります。また、不妊治療における排卵誘発剤の使用や、体外受精(ART)で複数の受精卵(胚)を子宮に戻す治療方針がとられた場合、二卵性の発生頻度は自然妊娠に比べて数倍に上昇することが知られています。