狭小現場において、なぜ一般的なクレーン車ではなくかにクレーンが選ばれるのか。その最大の理由は、驚異的なコンパクト設計と高い吊り上げ能力の共存にあります。前田製作所かにクレーンをはじめとするミニクローラークレーンは、走行時の全幅がわずか600mm〜1,400mm程度に抑えられており、標準的な間口のドアやビル内の通路、路地裏の狭小通路を難なく自走して通過できます。
現場に到着すると、油圧駆動の4本のアウトリガーを四方に大きく張り出し、まるでカニやクモのように踏ん張ることで広い接地面積を確保します。本体重量を分散させつつ高い安定モーメントを生み出すため、自重2トン前後のコンパクトな車体でありながら、最大つり上げ荷重約2.93トン(定格荷重ベース)に達する驚異的なパワーを発揮します。
さらに近年は、大手建機レンタル会社のアクティオなどが積極的に導入を進めるバッテリー駆動式の電動モデル(例:MC285CB-3)のように、排気ガスゼロ・低騒音で稼働する機体も主流になりつつあります。食品工場や商業施設の夜間改修、精密機械が稼働するクリーンルーム内など、従来のディーゼルエンジン建機が一切進入できなかった特殊環境での揚重作業を可能にした点が、現場のプロから絶大な信頼を寄せられている理由です。