自主学習が定着する一方で、家庭内では深刻な摩擦も発生しています。大手教育情報サイトやSNSのコミュニティ、保護者向けQ&A掲示板に寄せられる生の声には、共通した葛藤が浮き彫りになっています。
「毎日『自学何にするの?』と聞くだけで夕方の空気が凍りつく」「結局、親がテーマを探して下書きまで指示してしまう」といった、親側の疲弊を訴える投稿は後を絶ちません。一方、学校の教員側からも「全員が同じ教科書の引き写しになっており、主体的な学びになっていない」「カラフルに色を塗っているが、何が言いたいのか要点が抜けている」といった指摘が聞かれます。
元公立小学校指導教諭でベネッセ教育総合研究所の教育イノベーションセンター主席研究員を務める庄子寛之氏は、著書『自分で考えて学ぶ子に育つ声かけの正解』などを通じて、自学における「声かけの転換」の重要性を指摘しています。大人が「あれをやりなさい」と指示を出すほど、子どもの知的好奇心は減退し、作業としての自学に成り下がってしまいます。
教育現場の観察データからも明らかなように、優れた自学を継続している家庭では、テーマそのものを親が決めるのではなく、「今日学校で一番びっくりしたことは何?」「最近疑問に思ったことある?」といった問いかけを通じて、子ども自身に選択肢を選ばせるアプローチを取っています。