「せっかくの初詣なのに凶を引いてしまった」と落胆する人は多いですが、統計学と歴史的資料の双方から検証すると、凶を引くことは決して異常な事態ではありません。日本全国に広がるおみくじのルーツとされる「元三大師百籤(がんざんだいしひゃくせん)」の伝統的な配分割合を守り続ける寺社では、全体の約30%に凶が配分されています。
現代では参拝者の心理的配慮から凶の割合を意図的に減らしている社寺も存在しますが、浅草寺(東京都台東区)をはじめとする伝統寺院では、古来の比率が厳密に維持されています。つまり、3〜4人に1人は凶を引く計算であり、確率論から見てもごく普遍的な現象に過ぎません。
歴史学者の研究によれば、凶は「これ以上悪くならない状態」を意味し、運勢が上り調子へ向かうためのスタートラインと位置付けられてきました。初詣において凶を引いたという事実は、不吉の訪れではなく、初詣おみくじ凶の確率に裏打ちされた「最高のアラート機能」を受け取ったと解釈するのが賢明です。