SNS上では「100均のシールでも半永久的に剥がれない」という過信が一部で見られますが、素材力学および化学的な観点から見れば、これは明白な誤解です。現場の検証取材を通じて判明した、長期保存における2つの不可逆的リスクを直視しなければなりません。
1つ目は、「PVC(塩化ビニル)素材との化学反応」です。硬質カードケースや軟質PVCケースにファイリングシールを直接貼り付けると、ケースに含まれる可塑剤(プラスチックを柔らかくする添加剤)がシールの糊と反応し、数ヶ月で糊がドロドロに溶け出す現象が発生します。貼付する相手は、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレンテレフタレート(PET)素材のものに限定するのが安全です。
2つ目は、「ページめくり時のテコの原理による破断」です。ファイリングシールで綴じた書類は、通常の穴あき用紙に比べてリング穴から紙本体までの支点が長くなります。そのため、勢いよくページをめくると接着境界部に強い剪断力(せんだんりょく)が働き、紙の表面繊維ごとベリッと持っていかれるトラブルが多発します。めくる際はリング付近を指で軽く押さえながら開く動作が欠かせません。