結論から整理すると、壁の穴が「表面の壁紙(クロス)のみの損傷」や「画鋲程度のピン穴」にとどまる場合、100均の補修グッズは極めて高いコストパフォーマンスを発揮します。大手100円ショップのDIYコーナーで不動の人気を誇るダイソー壁穴補修パテは、アクリル樹脂を主成分とした扱いやすいチューブタイプで、数ミリの穴であれば指先や付属のヘラで押し込むだけで平滑に仕上がります。完全乾燥後も肉やせ(乾燥に伴う体積収縮)が比較的少なく、白系統の一般的なビニールクロスであれば遠目には全く区別がつかない水準までリペア可能です。
一方、表面の破れや剥がれに対して重宝されているのがセリア壁紙用補修シートです。織物調や石目調など複数のエンボス柄が展開されており、剥がれた箇所の形状に合わせて切り取って貼り付けるだけで、下地の露出を防ぐことができます。110円(税込)という圧倒的な低予算で手に入るため、賃貸入居者のファーストチョイスとして定着しているのも頷けます。
しかし、下地材である厚さ9.5mm〜12.5mmの石膏ボード自体が割れて奥に空洞ができている場合、話は根本から変わります。100均のパテをどれほど流し込んでも裏側に脱落してしまい、穴を埋めることはできません。ネット上で散見される「ティッシュや新聞紙を奥に詰めてパテを盛る」という裏技も、光の斜光が入った際に表面の波打ちが露骨に浮き彫りになります。退去立ち会いを担当する管理会社の巡回スタッフは、部屋の照明を消して斜めからライトを照射し、壁面の歪みをチェックするため、素人のパテ埋めは一瞬で見破られてしまうのが現場の現実です。