記念品選定において、最もトラブルや後悔を生みやすいのが「名入れ加工」と「手作り・オリジナルグッズ」の扱いです。現場のリアルな証言から、その構造的な盲点を浮き彫りにします。
都内の中学校に勤務する教諭は、生徒たちの所持品事情について次のように証言します。
「4月の新入生を見ていると、小学校名が金文字で堂々とプリントされたペンケースや水筒を、恥ずかしそうに隠しながら使っている生徒が散見されます。中学生になると『早く大人びたグループに属したい』という自立心が芽生え、小学校の記号を身につけること自体に強い抵抗感を覚える子どもが少なくありません」
名入れ自体は愛着や紛失防止に役立つ有益なオプションですが、「何を・どこに・どう入れるか」の配慮を怠ると致命傷になります。
- NG例:表面中央に大きなフォントで「〇〇市立〇〇小学校 令和〇年度卒業生一同」と印刷。
- 正解例:本体側面にアルファベット筆記体で小さく個人名(イニシャル等)をレーザー彫刻し、学校名は裏面か底面、あるいは外箱の熨斗(のし)だけに留める。
また、PTA有志の熱意が空回りしやすい「手作りオリジナルグッズ」(顔写真入りマグカップ、手形アート、校歌入りオルゴールなど)も極めて慎重な判断が必要です。作った側の達成感とは裏腹に、子ども側の本音は「捨てるに捨てられない重荷」になりかねません。記念品は作り手の自己表現の場ではなく、受け取り手の生活必需品であるべきという視点を忘れてはなりません。